税額控除について − ふるさと納税がお得になる上限金額

2013年11月24日追記:
 給与所得が1箇所のみの人が、ふるさと納税した時の確定申告書の作成方法をブログで紹介しています。
 こちらになりますので、ご参照下さい。


 以下は、個人の控除について記載しています。法人として、ふるさと納税を行った場合は、寄付金額を全額損金として税額控除を受けることができます。

 ふるさと納税に限りませんが、税金の話というのは、一般の人に取っては大変わかりにくいです(^^;

 「ふるさと納税がどうしてお得なのか?」の仕組みは、こちらに書きましたが、納税先を変えることによって、一部の自治体からは特産品がもらえるにもかかわらず、「寄付金控除」という形で税金が戻ってくる(還付)されるからです。

 では、「いくらでも、税金が戻ってくるのか?」というと、残念ながら、そんなことはありません。

 ふるさと納税自体は、上限はなくいくらでもできるのですが、寄付金控除で戻ってくる税金には上限があります。
また、戻ってくる税金に下限があり、最低でも2000円は自己負担(税金が戻ってこない)となります。
 (以前は5000円が最低の自己負担金額だったのですが、平成24年度から2000円に引き下げられたようです。このため、自治体のホームページによっては、まだ「5000円が最低の自己負担金額」となっており、変更されていないものもあります。)

 したがって、寄付金控除で戻ってくる上限の金額を計算し、自己負担金が2000円以内に収まる範囲で、ふるさと納税を行うと最も資金効率が良くなります。

 では、「どうやって自己負担金が2000円になる金額を計算するか?」 ですが、控除税額は以下(1)〜(3)の合計で求まります。

    (1)所得税=(ふるさと納税 年間合計金額(*1) − 2000円)× 所得税の限界税率(*2)
    (2)住民税(基本控除)=(ふるさと納税 年間合計金額(*1) − 2000円)×10%
    (3)住民税(特例控除)(*3) =(ふるさと納税 年間合計金額(*1) − 2000円)×(90%-所得税の限界税率 (*2) )

(*1)所得税の控除対象限度額は総所得金額等の40%、個人住民税の控除対象限度額は総所得金額等の30%。
(*2)所得税の限界税率は、「課税される所得金額」で決まる金額で、サラリーマンであれば、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額。
(*3)住民税所得割額の10%が上限

 2000円以内に収まる上限を計算する項目として重要なのは、「所得税の限界税率」と「住民税所得割額」の2つです。

 サラリーマンであれば、「所得税の限界税率」は源泉徴収票に載っている「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額である「課税される所得金額」を基にして、こちらで確認できます。

 また、「住民税所得割額」は、「市町村民税・道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」という5月〜6月頃に会社から配られる紙に書いてある、「市町村民税 所得割額」と「都道府県民税 所得割額」の合計金額になります。

 特に、(3)住民税(特例控除)で「住民税所得割額の10%が上限」となっているのがポイントで、ここの上限で自己負担が2000円以下になる上限が決まります。

 扶養家族の人数等の家族構成によって、所得控除や住民税所得割額の金額が変わりますが、基本的にはいずれも年収をベースに計算されます。
(「ふるさと納税を行った年の」年収ですので、その点は注意が必要です。このため、一年を終えてみないと、正確な金額はわからないので、前年度の年収や住民税所得割額、その時点での今年度の年収を元に概算して下さい。)

 これらの金額がわかっていれば、こちらのサイトで、2000円以内に収まる上限の寄付金額を計算することができます。

 また、各自治体でもこれらの目安を計算する例が載っていますが、例えば千葉県のホームページでは、金額を入力することで、自己負担金額2000円以内になる寄付金額を計算できるExcelシート (右クリックで保存) のダウンロードもできます。「源泉徴収票」や「市町村民税・道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」の、どこに書かれている部分を計算に使うかの説明図も載っていますので、わかりやすいです。

 だいたいの目安を知りたい場合には、「自己負担額2千円以内で千葉県に寄附を行える寄附金額の目安」として、下に示す年収、家族構成別に参考になる表が載っていますので、参考にして、ふるさと納税を行う寄付金額を決めて下さい。


(1)夫婦と子2人(小学生と高校生)の給与所得者の場合

給与収入
[万円]
課税所得(住民税)
[万円]
自己負担額が2000円になる
寄付金額の目安 [円]
300 63 8,000
400 127 16,000
500 197 24,000
700 341 44,000
1000 587 85,000
1500 1042 184,000
2000 1517 267,000
3000 2467 494,000
5000 4367 874,000


(2)夫婦のみの給与所得者の場合

給与収入
[万円]
課税所得(住民税)
[万円]
自己負担額が2000円になる
寄付金額の目安 [円]
200 36 5,000
300 96 12,000
400 160 20,000
500 230 30,000
700 374 55,000
1000 620 90,000
1500 1075 190,000
2000 1550 273,000


(3)単身の給与所得者の場合

給与収入
[万円]
課税所得(住民税)
[万円]
自己負担額が2000円になる
寄付金額の目安 [円]
150 37 6,000
200 69 9,000
300 129 16,000
400 193 24,000
500 263 34,000
700 407 59,000
1000 653 94,000
1500 1108 195,000
2000 1583 279,000


(4)夫婦ともに年金生活者(公的年金等のみ、70歳以上)の場合

給与収入
[万円]
課税所得(住民税)
[万円]
自己負担額が2000円になる
寄付金額の目安 [円]
250 59 8,000
300 109 13,000
400 192 23,000
500 276 36,000


特産品をもらった場合の課税について

 国税庁のホームページに、ふるさと納税に対するお礼として、特産品をもらった場合の課税について、以下のように紹介されています。

【照会要旨】
 A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附(いわゆるふるさと寄附金)を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(5,000円程度)を送ることとしています。
 この場合の寄附者が受ける経済的利益について、課税関係は生じますか。

【回答要旨】
 寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中に他に一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。


・・・というわけで、ふるさと納税をもらった、お礼の品についても一時所得として申告の対象になりえるそうです。

 では、一時所得とは何かというと、一時所得について説明している国税庁のページによると、一時所得に該当するものは、以下のものとのことです。

 (1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)、競馬や競輪の払戻金
 (2) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
 (3) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)
 (4) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

 また、一時所得が課税される計算式が

  総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

となっています。

 「収入を得るために支出した金額」によって変わってきますが、仮にこの金額が0円としても、控除額の50万円までは課税されないことになります。

 したがって、ふるさと納税でもらった特産品による利益と、(ある場合には)他の一時所得を合計して50万円以下ならば非課税となります。
 いっぱいふるさと納税をして、50万円分以上の特産品をもらう方や、他に一時所得に該当するような所得がある方は、注意しましょう。
 特産品でもらったものを、いくらの利益とみなして計算するかは、なかなか難しいところもあるとは思いますけどね・・・。

(注)自分なりに調べた結果を載せており間違ってはいないと考えておりますが、税金の専門家ではなく、誤りがありましても責任は持てませんので、御了承下さい。