ふるさと納税 VS 株主優待

2014年9月号 ダイヤモンドZAiにて、「桐谷・株主優待VS金森・ふるさと納税」バトルが掲載されています。

ガチャガチャができるなど、もはや株主優待の枠を超えてしまった桐谷さんと、「ふるさと納税だけで食費を賄う」という金森さんとの対談です。

二人が株主優待とふるさと納税について、その素晴らしさを和やかに語り合う・・・・という感じではなく、金森さんが相変わらずの強引さで、ふるさと納税を推す様な内容になっています(笑)

金森さんが書かれたふるさと納税の本について、Amazonのレビューで「金持ち自慢だ」とか「普通の人に同じことはできない」という様なコメントがちらほら載っていますが、金森さんの本を何冊か読んだふるとくとしては、「金持ち自慢だ」という批判については、今回の本は金森さんとしてはむしろ批判を受けにくいように、抑え気味に書いているなあ、と思ったんですけどね。
「抑え気味」であって、完全に抑えられていないところが、金森さんらしいと言えばらしいですが(笑)

それはそれとして、株主優待とふるさと納税の違いで最も大きな点は、その源泉にあると、ふるとくは思っています。

一言でいうと、ストック(資産)とフロー(収入)の違いです。

ふるさと納税がお得なのは、「特産品を頂けた上で、納税した税金が返ってくる」からであって、そもそも納税する税金が少ない人は、「返ってくる税金の上限」が少ないので、あまりお得にはなりません。

桐谷さんの様な「資産はあるけど、収入は少ない」人には、向いていない制度です。
(最近はTVに雑誌に引っ張りだこの上、ガチャガチャまでできる程の人気者ですから、収入も高い気はしますが)

ふるさと納税がお得になる源泉は、毎年の収入により徴収される税金のため、収入(フロー)が高い人がお得ということですね。

一方、株主優待は「株」という金融資産を持つことにより頂けるものなので、資産(ストック)をベースとしています。

仮に「収入は多いけど、金融資産は少ない」様な浪費家タイプの人の場合、その高所得を活かして、ふるさと納税は還付上限が高くできて特産品をいっぱい頂けても、株を買うお金は無いので株主優待はあまり頂けないことになります。

この様に利益の源泉なる部分が、ふるさと納税と株主優待では異なるので、どっちが良いと言えるわけではないのですが、仮に100万円相当の特産品または優待品を頂くのに必要な収入と資産をざっくりと比較してみましょう。

ふるさと納税の場合、高額納税者ですと還付される税金の上限は年収の2%くらい(普通の人は1%くらい)となります。
頂ける特産品を金額に換算すると、自治体によって異なりますが「10000円の寄付当たり3000~5000円」くらいと思われます。

仮に多めに見積もって、「10000円の寄付当たり5000円の特産品」をいただけるとしても、「100万円相当の特産品」を頂くには「200万円の寄付」をする必要がありますので、これが還付上限になるとして、200万円÷0.02=1億円の年収が必要となります。
(金森さんは収入どころか、納税額が1億円以上のようです)

これに対して株主優待ですが、利回りは会社とかその時の株価によってだいぶ異なりますが、株主優待の平均利回りが2%と仮定すると、100万円相当の株主優待を頂くためには5000万円の資産が必要となります。

ただ、普通の人は「手持ち資金で全額、優待狙いの株を買う」という行為に走るのは珍しいでしょうから、2倍の余裕を見て「1億円の金融資産を持つ人が5000万円をかけて優待株を買った」と仮定して比較してみましょう。
(正直、結構余裕を見た金額です。桐谷さんの資産が1億数千万円で600~700万円相当の優待をもらっているとのことですので)

・ふるさと納税 → 1億円の年収(フロー) と
・株主優待   → 1億円の資産(ストック) の

「どっちがハードルが高いか」というと庶民にはまあどっちも高いわけですが(笑)、相対的に見ると、これは「1億円の年収」の方が、はるかにハードルは高いですね。

金融資産を100万ドル(≒1億円)を持つ人が一般に富裕層とされていますが、日本は世界で第2位に富裕層の多い国で、「ワールド・ウェルス・レポート 2012」によると、180万人くらいがそうだと言われています。

一方、年収の場合、「年収2500万円以上でも男女合わせて8.2万人」という数字ですので、「年収1億円」ともなると、いったいどのくらい希少な人数なのか、検討がつきません。
多めに見て、仮に1.8万人いたとしても、資産1億円の人の1/100です。

「金持ち自慢」かどうかは別にしても、金森さんの様に「ふるさと納税で食費0円」とするには、相当高いハードルを越える必要がありますので、「普通の人に同じことはできない」というAmazonのレビューは当たっていますね。

まあ、桐谷さんの様に、優待を使い切るために競輪選手なみのスピードで都内をママチャリで激走するというのも、普通の人にはできませんが(笑)

サイト情報更新 美祢市 牛肉1kg再開等

ふるさと納税 特産品 情報局」の情報を更新しました。

以下の自治体の情報を更新しています。

北海道 むかわ町
福島県 湯川村
静岡県 富士市
山口県 美祢市

むかわ町は、ホルモン・豚サガリセットの追加です。メロンやシシャモ、ほっき貝等があるむかわ町に、また一つおいしそうな特産品が追加されました。

湯川村は、先日の日記でも紹介していた、「30000円でお米60kg」の特産品の追加です。なかなかホームページが更新されず、受付開始のニュースが無いなあと思っていましたが、いつの間にか受付を始めていました(笑)
現状では、阿南町、吉備中央町、湯川村がお米の量に関してはトップ3ですね。

富士市は、キウイやみかん等の情報の反映です。キウイの特産品は、全国的に見ても珍しいですね。

個人的に注目のニュースは、美祢市が数量限定で「秋吉台高原牛(1kg:500g×2パック)」を再開したことです。単純に牛肉の量だけで考えると、ここが全国でもトップクラスだと思います。皆さん、それをわかっているのか、応募多数で早々に受付終了していましたが、「供給のメドが立った」とのことで再開されました。数量限定で1人1口までですので、秋吉台高原牛に興味がある方や牛肉に目がない方は急いで応募しましょう(笑)

サイト情報更新 吉備中央町 10000円で米20kg等

ふるさと納税 特産品 情報局」の情報を更新しました。

以下の自治体の情報を更新しています。

北海道 新十津川町
山形県 白鷹町
長野県 大町市
三重県 名張市
三重県 玉城町
岡山県 吉備中央町
宮崎県 日向市
鹿児島県 垂水市

注目は、岡山県 吉備中央町ですね。人気殺到で、あっという間に受付停止になった阿南町と同じく10000円の寄付当たりで20kgのお米を贈るそうです。上限は不明ですが、少なくとも「30000円の寄付で60kg」は受け付けてくれるようです。阿南町同様に、発送も分けてくれます(最大3回まで)。

阿南町は、このふるさと納税によるお米の申込みが増えたために、地元の農家が活性化したというニュースが出ていましたが、同じ様な効果を吉備中央町は狙っているものと思います。「目標金額3000万」とのことですが、既に100万円以上は申込みが来ているようです。皆さん、目を付けるのが早いですね(笑)
阿南町は2013年度に半年で1億円を突破する寄付を集めたため、予算3000万円の吉備中央町もあっという間に受付終了かもしれません。気になる方は急ぎましょう。

その他では、地味に長野県 大町市の「5000円の寄付でクオカード2000円分」というのもお得だと思います。ここはストレートに金券で勝負しに来たな、という感じです。

稲作支援 吉備中央町 使途限定受け付け
吉備中央町が、ふるさと納税の一部を稲作農家の支援に活用することを決め、今月から受け付けを始めた。
寄付の特典に同町産コシヒカリを選んだ人の寄付分を全額、コシヒカリ買い取りなどに充てる。稲作農家の応援に限定した使途は全国でも珍しいという。
町は「町の存続にかかわる」として支援策を検討し、ふるさと納税の活用を決めた。町は、稲作農家の収入アップにつなげるため、生産者からコシヒカリを通常の出荷額より2、3割増しで買い取る。一方、寄付の特典はこれまで、寄付金1万円あたり3000円相当の品物としてきたが、コシヒカリを選んだ寄付者には、1万円あたり6000円相当の精米20キロを贈る。
特典として用意するコシヒカリは6万キロで、寄付額の目標は3000万円。目標に達した段階で終了する。

町によると、夫婦2人で年収500万円の世帯の場合、3万円を寄付すると2万8000円の控除があり、実質2000円でコシヒカリ1俵(60キロ)が手に入る計算になるという。