ふるさと納税を行う上で、最も心理的に障害となるのは
「確定申告するのが、面倒くさい」
ということかと思います。
ただ、収入が会社からの給料のみであり、申告の対象がふるさと納税だけだという人なら、確定申告はそんなに難しいものではありません。
税務署で申請書の用紙をもらう必要もなく、e-taxのシステムを使用して、簡単に申請書が作成できます。必要事項を記入すれば、自動で還付金等を計算してくれるので、印刷して、所轄の税務署に持参または郵送すればOKです。
必要なのは、
- 住所や還付金を受ける銀行口座等の個人の一般情報
- 会社から支給される源泉徴収票
- ふるさと納税をした自治体から受け取る寄付金受領証
くらいのものです。慣れた人なら30分もあれば作成できるでしょう。
例として、年収500万円のサラリーマンが、10000円×3箇所の合計30000円を、ふるさと納税で寄付した場合に、どのように確定申告書を作成すればよいかを御紹介します。
平成24年度でのシステムで記入していますので、今後は多少画面が変わる可能性がありますが、恐らくそう大きくは変わらないでしょう。
まず、e-tax(http://www.e-tax.nta.go.jp/)のホームページに行きます。左側にある、「個人でご利用の方:確定申告書を作成する」を選びます。
「申告書等の作成を開始される方」を選びます。
「申告書の作成開始」を選びます。
「書面での提出を選ぶ」を選択します。
「e-taxを選ぶ」とする場合、事前に役所で電子証明書の申請や、カードリーダーの準備が必要です。 手続きが面倒になりますので、書面を作成して印刷する方が楽です(もうちょっと簡単にネット上で申告できるようにしてほしいものです・・・)。
ちなみに、「e-taxを選ぶ」とした場合、こういうカードリーダーが必要になります。
ここでは、「書面での提出を選ぶ」場合で紹介します。
パソコンのOS等が対象かどうかのチェックがありますので、確認したらチェックして、次に進みます。「別画面表示の確認」でPDFファイルが作成できるか確認しておきましょう。
「所得税の確定申告書作成コーナー」を選択します。
左側の「給与収入が1か所の方」を選択します。医療費控除を受ける人や住宅ローン控除を受ける人も左側です。
給与が2箇所以上あったり、事業、株、不動産等の収入を申告する必要がある人は、右側を選びます。
ここでは、左側の「給与収入が1か所の方」を選択したとして、続けます。
「確定申告書等を印刷して税務署に提出する」にチェックが入っていることを確認し、その下の欄の生年月日を入力して、次に進みます。
ここが最も重要な記入欄で、給与所得の源泉徴収票の金額を記入します。
- 支払金額:例では500万円
- 所得控除の額の合計額:例では222万円
- 源泉徴収税額:例では62000円
の3つの金額記入欄について、会社からもらった源泉徴収票の金額を記入します。ここで間違うと、以下の様なエラーメッセージが出て、先に進まなくなります。
給与記入欄の下にある「寄付金控除」の入力欄をクリックします。
新しい画面が出ますので、ふるさと納税した自治体の名称、金額等を記入しましょう。寄付金の種類としては、「都道府県、市区町村に対する寄附金」を選べば良いと思います。
複数の自治体に納税している場合、記入後に「もう1件入力する」というボタンを押して、入力を続けます。
3件、納税先を記入した例です。入力が終わったら、「入力終了」ボタンをクリックすると、前の画面に戻ります。
前の画面に戻ると、「寄附金控除:28000円」が表示されるようになりました。
30000円のふるさと納税に対して、自己負担分が2000円ですので、30000円-2000円=28000円となります。
確認後、「入力終了」ボタンを押して、次に進みます。
寄附金控除の欄に28000円、還付される金額が1400円と表示されます。
ここで、「あれ、28000円が戻ってくるのではないの?」と思うかもしれませんが、ここで還付されるのは所得税分なので、この例だと1400円になります。
ふるさと納税 特産品 情報局の税額控除のページにも記載しましたが、税額控除は以下(1)~(3)の合計で求まります。
(1)所得税=(ふるさと納税 年間合計金額(*1) - 2000円)× 所得税の限界税率(*2)
(2)住民税(基本控除)=(ふるさと納税 年間合計金額(*1) - 2000円)×10%
(3)住民税(特例控除)(*3) =(ふるさと納税 年間合計金額(*1) - 2000円)×(90%-所得税の限界税率 (*2) )
(*1)所得税の控除対象限度額は総所得金額等の40%、個人住民税の控除対象限度額は総所得金額等の30%。
(*2)所得税の限界税率は、「課税される所得金額」で決まる金額で、サラリーマンであれば、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額。
(*3)住民税所得割額の10%が上限
この例の限界税率は、
「給与所得控除後の金額」:346万円 (源泉徴収票に書いてあります)
「所得控除の額の合計額」:222万円 (源泉徴収票に書いてあります)
のため、「課税される所得金額」は346-222=124万円で、195万円以下のため、「税率5%」となります。
このため、(1)所得税で戻ってくる還付金は、
(30000円-2000円)×5% = 1400円
です。
ちなみに
(2)住民税(基本控除)が
(30000円-2000円)×10% = 2800円
(3)住民税(特例控除)が
(30000円-2000円)×(90%-5%) = 23800円
ですので、合計の還付金は1400+2800+23800=28000円です。
(2)、(3)の住民税については、6月の住民税での還付になりますので、確定申告の際には還付されません。
この辺の計算は、全部、自動でやってくれるので、まあ合っていると思って先に進みましょう(笑)
住民税に関する入力については、特に無いので、「入力終了」を押して次に進みます。
住所氏名や、還付を受ける銀行口座等を記入します。
記入後、「入力終了」を押して、次に進みます。
「印刷画面の表示」ボタンを押すと、確定申告書のPDFファイルが出力されます。
この出力されたファイルを、プリンターで印刷しましょう。
今後の対応について説明がいろいろ出ます。内容は確認した方がいいですが、特に何かを記入すること等はないです。
終了です。お疲れ様でした。
印刷した確定申告書に、源泉徴収票と、各自治体から受け取っている寄附金受領証を添付して、所轄の税務署に持参または郵送しましょう。
受付期間は、2月中旬~3月中旬です。
いかがでしたでしょうか。住所等の一般情報の他は、記入するのは源泉徴収票に書かれている金額と、「どこに、いくらのふるさと納税をしたか」の記入だけです。還付金の計算等の面倒なことは、システム上で自動的に計算してくれます。
ご参考になれば、幸いです。